動詞:使役と受身(二)




(主語)は・が(対象)を(動詞)
 学生 は   本  を 読みます。


1. 使役


(使役主)は・が(動作主)に・を(対象)を(動詞+せる・させる)
 先生  は   学生  に   本  を 読ませます。


使役主となる「先生」には「は」を使い、動作主となる「学生」には「に」または「を」が使われます。
「に」を使い場合は他動詞の使役、「を」を使い場合は自動詞の使役です。
そして、ある意味では、「に」は許可、「を」は強制と解釈します。


2.使役受身


(動作主)は・が(使役主)に・を(対象)を(動詞+せれ・させられる)
 学生  は   先生  に   本  を 読ませられました。


「され・させられ」が動詞の語幹につけると、使役受身態になります。
動作主の気持ちを考えず、動作が使役主の強制で行われることになります。


3.受身


主動文:(主語)は・が(対象)を(動詞)
             先生 は   学生 を 叱りました。


被動文:(主語)は・が(補語)に・から・によって(動詞+れる・られる・される)
     学生 は   先生 に         叱られました。


※ 「から」の例文:総理大臣は、国民から信頼される人でなければならない。
  「によって」の例文:地動説は、コペルニクスによって証明された。

被動文の中で、主語は「先生」(動作主)から「学生」(動作の受け手)になり、
補語も「学生」(動作の受け)から「先生」(動作主)になりました。


そして、受身には「直接受身」と「間接受身」二つの形があります。


直接受身:(動作の受け手)は・が(動作主)に(動詞+れる・られる・される)
                    私 は  兄 に 殴られました。


間接受身:(動作の受け手)は・が(動作主)に・を(受身対象)を(動詞+れる・られる・される)
                    私 は    兄 に  日記     を 読まれました。


4. 「いいこと」と「悪いこと」


常に略しますが、一般的には「私」は主語にとして扱いています。
「私を」は存在してないと思います。
だから、「私」に中心にしていろいろな被動文があります。
どんな時が「くれた」か、どんな時が「せられた」か、話者の気持ち次第です。


例ー:ボスが上海へ行かせてくれた。例二:(私は)ボスに上海に行かせられた。


結論にとして、どちらでも「上海に行く」が、言いたいことがちょっと微妙です。
例ーには、「上海に行ける」ことはいいことと思いて、動作主の「ボス」を主語にします。
例二には、「上海に行ける」ことは悪いことと思いて、動作の受け手の「私」を主語にします。


5. 語態のまとめ


1)可能態


例ー:この店で日本のお金が使えます。
※ 他動詞は「を」とつけますが、可能形になれば「が」になります。


2)受身態


例ー: 今日、私は先生に褒められました。(被動)

例二: 誰かに財布をすられました。(受害被動)


―>例:お引越しの時、友達に来てもらって助かりました。(感謝)
          昨夜、突然友達に来られてびっくりした。(受害)


例三: 先生は夏休みにどこかへ行かれましたか。(尊敬)

例四: オリンピックは4年こどに行かわれました。(客観説明)

例五: 故鄉が懐かしく思われます。(自発思想)

3)使役態


例ー: 学生に漢字を覚えさせました。(強制)

例二: 娘にロックコンカートへ行かせた。(許可)

例三: 山田は病気で両親を心配させました。(誘発感情)

例四: その仕事は是非私にやらせてください。(許可を求める)


4)使役受身態

例ー: みんなの前で歌わせられて恥ずかしかった。(被迫)

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